StemStudio

使い方

掲載している画面はすべて実際の製品のスクリーンショットです。 モックアップはありません。細かい仕様と実測値は各プラグインのマニュアルにあります。

1. まず測る — ゲインステージング

ミックスの土台は音量管理です。各トラックの頭に無料の VU Meter を挿し、 針が0 VU 付近で揺れるようにトラックのゲインを整えます。 VUメーターはピークではなく平均を示すので、耳で感じる音量に近い基準になります。 キャリブレーションは -18 / -14 / -12 dBFS から選べます(初期値 -18 が無難です)。

VU Meterの画面
VU Meter — 針の物理は実機と同じ2次系。fpsに依存しません。
LUFS Meterの画面
LUFS Meter — 配信基準(-14 LUFSなど)への追い込みはこちらで。

2. 整える — EQ

Parametric EQ 7-Band は削ってから持ち上げるのが基本です。 カーブ上のバンドを直接ドラッグできます。表示カーブと実際の音声経路は完全に同じ計算なので、 「見た目と違う音になる」ことはありません。 サ行だけ、キックのかぶりだけ、のように「鳴った時だけ」動かしたいなら Dynamic EQ の出番です。

Parametric EQの画面
EQ7 — バンドはカーブ上で直接ドラッグ。
Dynamic EQの画面
Dynamic EQ — 動くのは表示マーカーと同じ周波数。

3. まとめる — コンプレッション

ドラムバスやミックスバスには Bus Compressor。 2:1・アタック10ms・リリースAutoから始めて、GR針が2〜4dBで呼吸するくらいが出発点です。 帯域ごとに効かせたいなら Multiband Compressor、 ボーカルのサ行には De-Esser、ノイズ処理には Gate / Denoise を。

Bus Compressorの画面
Bus Compressor — 針が伝えるのは「リダクションがどう動くか」。
De-Esserの画面
De-Esser — Male / Female プリセットから微調整。

4. 色付け — サチュレーション

Saturator は Auto Gain が標準で効いています。これは設計です—— 音量が上がると人は「良い音」と錯覚するので、音量を揃えたまま質感だけを比べられるようにしています。 Drive を上げても耳障りになりにくいのは 8x オーバーサンプリング + ADAA でエイリアスを -92dBc まで抑えているからです。ピークだけを止めたいなら Hard Clipper を。

Saturatorの画面
Saturator — 伝達カーブは正方形表示。45度が基準線。
Hard Clipperの画面
Hard Clipper — キックの角を整えるならこちら。

5. 広げる — 空間系

ReverbDelay はセンドで使うのが基本です(Mix 100%)。 Delay のテンポ同期は付点・3連に対応し、Time を動かしても音程が曲がりません。 Stereo Imager で広げるときはモノ互換を確認——といっても、 このImagerはモノ合成が原理的に変化しない方式(遅延を使わないM/S)なので、消える音はありません。

Reverbの画面
Reverb — Size / Decay / Damping の3つでほぼ決まります。
Delayの画面
Delay — フィードバックのダブ的な崩れも安全(ループゲイン<1保証)。

6. 仕上げ — リミッティング

マスターの最後に Limiter / Maximizer。True Peak 検波をONにして シーリングを -1.0 dBTP に。順番は Clipper 先・Limiter 後が推奨です。 仕上がりのラウドネスは LUFS Meter で確認してください。 リミッターにはレイテンシがありますが、DAWが自動補償します(全設定で一定値なので補償が狂いません)。

Limiterの画面
Limiter — シーリング超過は5信号×3設定の全実測で最大0.094dB。

もっと詳しく: 全15冊のマニュアルには、各パラメータの説明に加えて 実測値と設計判断(なぜこの方式なのか)まで書いてあります。